東京高等裁判所 昭和26年(う)695号 判決
麻薬取締法第四条が麻薬の所持を取締の対照としたのは、その所持自体から発生することあるべき諸事態を防止するにあつて、麻薬を譲受けて後これに対する実力支配関係が相当期間持続し譲受行為とは独立して犯罪を構成する場合を処罰したものと解するのが相当である。今原判示を見るに被告人小林が河治と共謀して本件麻薬を昭和二十五年八月二十九日より翌九月四日までの間之を所持したことを認定したものであるから、右麻薬に対する実力支配が相当期間持続し、譲受行為とは独立した犯罪を構成するものと認められるから右の如き所持が当然譲受行為中に包括吸收されたものとは認められない。よつて原判決が麻薬の譲受と所持とを併合罪として処罰したのは正当で論旨はその理由がない。